「妊娠前にやっておけばよかった…」と出産後に初めて気づくことは少なくなく、実際にその時期を迎えてみると想像以上に時間や体力に余裕がなくなるという声も多く見られます。
特に産後は睡眠や自由時間が減り、手続きや片付けが後回しになりやすいので、「今のうちにできることを知りたい」「後悔のない準備をしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、先輩ママの後悔の声をもとに、妊娠前に必要な手続きや生活環境・体調管理など、今から無理なくできる準備を紹介していきます。スムーズに妊娠・出産に臨みたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
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江川 美穂
不妊治療の専門家兼NPO法人日本不妊カウンセリング学会認定の不妊カウンセラー。大学卒業後、不妊治療に興味を持ち、不妊治療を研究している医療機関を徹底的に調査して分析。自身も不妊治療を経験し、現在は一児の母。

原田 美由貴
自身も不妊治療を経験。「子どもを授かりたい」という強い思いから、不妊治療に特化した数多くの医療機関を受診。体外受精やホルモン治療など、さまざまな治療法に取り組んできた実体験をもとに、不妊に悩む方々に寄り添う記事を執筆。現在は二児の母。
「出産前にやっておけばよかった」というママの後悔の声
妊娠・出産を経験した先輩ママからは、「あのときやっておけばよかった」という声が多く聞かれます。ここでは、実際の声をもとにした妊娠・出産に関する体験談を紹介します。
- 産後の時間のなさ・体力低下を実感した
- もう少し余裕を持った出産・育児がしたかった
それぞれ順に見ていきましょう。
産後の時間のなさ・体力低下を実感した
1つ目は「産後の時間のなさ・体力低下を実感した」です。

時間が本当に足りないと実感した
出産前は「赤ちゃんが寝ている間に家事をすれば大丈夫」と思っていましたが、実際は授乳やおむつ替え、寝かしつけを繰り返しているだけで1日が終わります。
自分の食事をゆっくり食べる時間すらなく、お風呂も赤ちゃんが寝たタイミングを見計らって急いで済ませる毎日でした。妊娠前にやりたかったことや必要な手続きをもっと済ませておけばよかったと何度も思いました。(30代・第一子)



想像以上の体力低下に驚いた
出産したらすぐ元気に動けると思っていましたが、実際は少し歩くだけでも疲れやすく、寝不足も重なって体が思うように動きませんでした。赤ちゃんのお世話だけで精一杯で、掃除や買い物など普段なら簡単にできることも負担に感じる日が続きました。
産後は想像以上に体力が落ちるので、妊娠中のうちに必要な準備や自分の時間を大切にしておけばよかったと感じています。(20代・第一子)
上記の体験談のように、妊娠前は「赤ちゃんが生まれても、少しは自分の時間があるだろう」と想像していたという声は少なくありません。
しかし実際の産後は、授乳やおむつ替え、寝かしつけに追われ、想像以上に一日があっという間に過ぎていきます。
さらに、出産による体力の消耗は想像以上で、寝不足の中で育児をこなす必要があるので、思うように動けない日もあります。「妊娠前に体力をつけておけばよかった」「もう少し自分の時間を満喫しておけばよかった」と後悔する声が多いのはそのためでしょう。
だからこそ、妊娠前に自分の趣味や友人との時間を大切にしたり、体力づくりを意識したりすることは、産後の自分を支える準備になります。将来の自分を助けるために、今できることを少しずつ始めておくことが大切です。
もう少し余裕を持った出産・育児がしたかった
2つ目は「もう少し余裕を持った出産・育児がしたかった」です。



もう少し余裕を持って出産・育児を迎えたかった
妊娠中は「出産してからでも何とかなる」と思っていましたが、実際は毎日が想像以上に慌ただしく、自分のことは後回しの生活でした。産後は睡眠不足や慣れない育児で心にも体にも余裕がなく、赤ちゃんとの時間を楽しむより「今日を乗り切ること」で精一杯だった気がします。
妊娠中にできる準備や、夫婦で育児の分担についてもっと話し合っておけば、もう少し心に余裕を持って出産・育児を迎えられたのではないかと思います。(40代・第一子)
妊娠前は情報収集や準備が後回しになりがちですが、いざ妊娠すると体調の変化や不安が重なり、思うように動けなくなることも多いです。その結果、慌ただしく出産準備を進め、気持ちの余裕を持てなかったと感じる方が少なくありません。
また、育児用品の準備や家族との役割分担、産後の生活動線などを事前にしっかり考えておけば、もう少し落ち着いてスタートできたという声もあります。
準備不足そのものよりも、「心構えが足りなかった」と感じることが後悔につながりやすいと言えるでしょう。
妊娠前にやっておけばよかったこと|手続きや書類の準備
ここでは、先輩ママの意見をもとに、手続きや書類に関する妊娠前にやっておけばよかったことを紹介していきます。
- 妊娠前にできる手続き
- 妊娠前に用意する書類
- プレママ特典を利用
それぞれ順に見ていきましょう。
妊娠前にできる手続き
1つ目は「妊娠前にできる手続き」です。
妊娠に関する手続きは複数ありますが、妊娠後は体調の波で動きにくい日も増えるため、元気なうちに流れだけでも確認しておくのがおすすめです。
まずは自治体の支援制度を確認し、対象条件や申請のタイミング、窓口を把握しておきましょう。その他にも、以下のような手続きをしておくと、安心して妊娠に備えられます。
- 自治体の「妊娠届(母子手帳交付)」の提出先・受付時間・必要持ち物を確認
- 自治体の妊娠・出産関連の支援(妊婦健診助成、各種給付や補助)の有無を調べる
- 会社の就業規則で、産前産後休業・育児休業の取得条件と申出期限を確認
- 産休・育休に入るまでの社内手続き(誰に、何を、いつ提出するか)を人事・総務に確認
- 雇用保険の育児休業給付の申請ルート(勤務先経由/ハローワーク)と必要書類の概要を把握
- 健康保険の「出産手当金」の申請先(協会けんぽ/健保組合)と申請書の入手方法を確認
また、就業規則や社内手続きのページを見て、必要書類の入手先、提出期限、担当部署の連絡先を控えておくと、妊娠後の慌ただしい時期でも迷いにくくなります。
「いつ何を出すか」を大まかに整理するだけで十分なので、完璧に決めようとせず、見通しを持ちましょう。
妊娠前に用意する書類
2つ目は「妊娠前に用意する書類」です。
妊娠・出産に関する書類すべてを用意する必要はありませんが、どこにあるか把握しておくだけでも、手続きがスムーズになります。
ここでは、妊娠前に確認しておきたい書類の例を紹介します。
- 健康保険証(家族分も含む)
- マイナンバーカード/通知カード(マイナンバーが分かるもの)
- 運転免許証などの身分証明書
- 印鑑(認印・実印が必要な場合に備えて)
- 通帳・キャッシュカード(給与口座・引き落とし口座など)
- 勤務先の情報が分かるもの(社員証、就業規則の保存先、人事・総務の連絡先メモ)
- 雇用保険被保険者番号が分かるもの(雇用保険被保険者証など)
- 基礎年金番号が分かるもの(年金手帳/基礎年金番号通知書)
- 住民票の写し(必要になるケースに備えて。取得方法だけ確認でも可)
書類の準備は地味に見えますが、産後の時間と心の余裕につながります。家族も分かる場所に保管し、必要なときにすぐ取り出せる状態にしておけば、妊娠中も産後も慌てずに行動しやすくなるでしょう。
プレママ特典を利用
3つ目は「プレママ特典を利用」です。
妊娠中から利用できるプレママ向け制度は、まだ十分に知られていませんが、商品をお得に購入できたり各種特典を受けられたりと、家計にやさしい特典が豊富に用意されています。
以下のような特典を利用すれば、妊娠中や産後における費用や時間の負担を軽減できるでしょう。
- 自治体の母子手帳交付時にもらえる「育児冊子・サンプル」
- 妊婦健診の補助券(受診票)の配布
- 妊娠・出産に関する相談窓口(助産師相談、保健師面談)
- 出産・子育て応援給付(自治体の支援金・ポイント付与など)※実施内容は自治体で異なります
- 産前産後ヘルパー・家事支援の利用補助(自治体によって有無あり)
- 産後ケア事業(宿泊型・デイケア・訪問型)の利用補助
- 両親学級・母親学級(オンライン含む)の参加
- プレママ向け優待パス/会員登録特典(店舗・施設の割引、ポイント)
ただし、特典を集めること自体が目的になると疲れてしまいます。利用条件や期限がある場合もあるので、今の自分に必要かを基準に、余裕を作るための道具として上手に活用してください。
妊娠前にやっておけばよかったこと|育児休暇と仕事の見通しを持つ
続いては、育児休暇と仕事に関する妊娠前にやっておけばよかったことを紹介していきます。
- 育児休暇の申請
- 仕事上のスケジュール調整
それぞれ順に見ていきましょう。
育児休暇の申請
1つ目は「育児休暇の申請」です。
まずは、就業規則や社内サイトで「申出期限」「提出先」「必要書類」を確認し、分からない点は人事・総務に聞ける状態にしておきましょう。
次に、上司へは協力体制を作る目的で、「通院が増える可能性があるので、今後の調整を相談したい」と短く伝えるのがおすすめです。準備としては、休みに入る時期、引き継ぎが必要な業務、不安な点を明確にしておきましょう。
情報が整理できると、手続きと仕事の段取りが同時に進み、気持ちにも余裕が生まれます。育休の準備は甘えではなく、安心して働き続けるための現実的な段取りとして捉えましょう。
仕事上のスケジュール調整
2つ目は「仕事上のスケジュール調整」です。
妊娠中は急な通院や検査が入りやすく、仕事の繁忙期と重なると心身の負担が一気に増えるので、事前に段取りを整えましょう。
- 直近3か月の締め切りと繁忙期を洗い出す
- 代替できる作業は早めに共有する
- 引き継ぎ候補と期限(手順・連絡先・注意点)をまとめる
また、職場への共有では、「定期的な通院があるため、業務の山だけ先に調整したい」「体調次第で予定変更の可能性がある」と伝えると協力を得やすくなりますよ。
妊娠前にやっておけばよかったこと|自分の時間を充実させる
妊娠中は体調の波で予定が立てにくく、長時間の外出や通院が負担になることもあります。
ここでは、妊娠前に済ませておくと安心につながりやすい自分時間の使い方を紹介します。
- 婦人科を受診する
- 美容院や歯医者に行く
- 体の保湿
- 資格勉強
それぞれ順に見ていきましょう。
婦人科を受診する
1つ目は「婦人科を受診する」です。
妊娠前に婦人科を受診しておくと、月経周期の乱れや強いPMS、貧血っぽさなど気になる体調を相談できるほか、持病がある方は妊娠に向けた注意点や服薬の見直しを確認できます。必要に応じて検査の相談もできるので、妊娠後に慌てずに済むでしょう。
婦人科の受診は、大げさなことではなく、「今の自分で大丈夫か」という不安を軽減するための手段です。
来院前に、最終月経日、周期の長さ、症状が出るタイミング、服薬内容、聞きたいことをメモしておくと、短時間でも伝えやすくなりますよ。
美容院や歯医者に行く
2つ目は「美容院や歯医者に行く」です。
妊娠中は体調の波で予約を入れにくく、産後は授乳や寝かしつけで時間が限られるため、急に通えなくなるケースも少なくありません。
歯医者は特に後回しになりやすく、痛みが出てからだと通院回数が増えストレスも大きくなるので、妊娠前のうちに検診とクリーニングを受け、気になる箇所があれば治療計画まで相談しておくと安心です。
また、美容院も行けるうちに通うと気分が上がり、心の余裕につながるでしょう。負担が大きかったり時間がなかったりする場合には、施術時間が短いメニューを選ぶのもおすすめです。
体の保湿
3つ目は「体の保湿」です。
妊娠中はホルモンバランスの変化で肌が敏感になりやすく、乾燥やかゆみが出ることがあるので、妊娠前から保湿を習慣にしておくと肌の不快感を減らしやすく安心です。
難しいケアをする必要はなく、入浴後の肌が乾ききる前に、ボディクリームやローションを全身に薄く伸ばすだけで十分です。脱衣所や寝室など必ず手が届く場所に置き、毎日同じタイミングで行うと、続けやすいでしょう。
ただし、香りが強いものや刺激を感じるものは避け、合わないときは無理に使わず変更してくださいね。
資格勉強
4つ目は「資格勉強」です。
妊娠中や産後は体調の波や睡眠不足で集中が途切れやすく、まとまった勉強時間を確保しにくくなるため、将来の働き方の選択肢を広げたい方は、今のうちに土台を作っておくと安心につながります。
計画は完璧でなくて構わないので、受けたい資格と教材を一つに絞り、迷う時間を減らしましょう。学習は1日10〜15分の短時間を基本にし、通勤中や就寝前など固定の時間に組み込むと続けやすくなります。
さらに、学習記録を一行でも残しておくと、積み上げが見える分モチベーションが保ちやすいです。妊活のことから一旦離れて、目の前のことに没頭すると、ストレス解消にもつながりますよ。
妊娠前にやっておけばよかったこと|産後の体制を整えておく
産後は家事や育児の負担が集中し、気合だけで乗り越えるのは難しいため、事前に体制を整える必要があります。
- 保険の見直し
- 予防接種を打つ
- 夫婦時間を大切にする
- 赤ちゃんを迎えるための準備・片付け
それぞれ順に見ていきましょう。
保険の見直し
1つ目は「保険の見直し」です。
妊娠・出産は受診回数が増え、思わぬ医療費が発生することもあるため、保険の内容を事前に把握しておくと安心です。見直しは難しく感じますが、「何が対象で、いくら受け取れるか」に絞って確認すれば十分でしょう。
まずは、医療保険や生命保険の証券を手元に用意し、入院・手術の給付条件、給付金額、免責や対象外の範囲を確認すると、いざというとき慌てません。
あわせて出産後の家計を見据え、固定費を一度棚卸しして無理のない範囲に調整すると、日々の不安が減りやすくなりますよ。
予防接種を打つ
2つ目は「予防接種を打つ」です。
妊娠前の予防接種は、妊娠中に接種できないものもあるため、時期を含めて早めに確認しておくと安心です。母子手帳がない段階でも、手元の接種記録や自治体の履歴を整理しましょう。
そのうえで、妊娠を考えていることを伝えて、かかりつけ医や婦人科で接種の要否とタイミングを相談するのがおすすめです。
また、家庭内感染の防止に向けて、パートナーや同居家族の接種状況も一緒に確認すると心強いでしょう。
夫婦時間を大切にする
3つ目は「夫婦時間を大切にする」です。
妊娠後は体調の波や通院で予定が組みにくくなり、産後は授乳や寝かしつけで二人の時間がさらに減るため、夫婦時間を意識して確保するのが大切です。
散歩やお茶の時間など、日常生活の中で一緒に過ごす時間を増やすと、少ない負担で継続できるでしょう。
また、話し合いについても大げさに捉えず、家事の分担、お金の使い方など、優先度の高いテーマを一つずつ共有するのがおすすめです。
赤ちゃんを迎えるための準備・片付け
4つ目は「赤ちゃんを迎えるための準備・片付け」です。
産後は赤ちゃんのお世話で手が離せず、片付けにまとまった時間を取りにくくなります。物が多いと動線が詰まり、抱っこしながらの移動や夜間の授乳がしづらくなるうえ、転倒など安全面の不安も増えるでしょう。
まずは、玄関・寝室・リビングなど、毎日必ず使う場所から不要な物を減らし、ルールを決めて収納場所を固定します。「授乳する場所→おむつ替え→手洗い」という導線を意識すると、スムーズな家事がしやすくなり、おすすめです。
また、育児用品は一気に揃えなくて構いませんが、置き場所だけ先に確保しておくと焦りが減るでしょう。
妊娠前にやっておけばよかったこと|葉酸サプリの摂取
妊娠前の栄養で特に意識したいのが葉酸です。葉酸は赤ちゃんの神経管(脳・脊髄のもと)が作られる時期に大切な役割を果たし、妊娠前〜妊娠初期に十分な量を確保することで、神経管閉鎖障害のリスク低減効果を期待できると言われています。
妊娠前からの葉酸摂取が推奨されるため、妊活を始めた段階で摂り始めると安心です。妊娠を計画している・妊娠の可能性がある女性は、食事に加えて1日あたり400µgの葉酸摂取が望ましいと示されています。


食事だけで葉酸必要量を補うのは非常に難しいので、葉酸サプリを上手に用いて、できるだけ楽に続けられる工夫を取り入れていきましょう。


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妊娠前にやっておけばよかったことに関するよくある質問
妊娠前にやっておけばよかったこと【まとめ】
多くの母親が口にする妊娠前にやっておけばよかったことは、特別な準備を完璧にこなすことではなく、産後の負担を減らすための土台を作ることです。
産後は授乳や寝かしつけで生活が細切れになり、睡眠も自由時間も想像以上に取りづらくなるので、必要な手続きや片付けを事前に終えておくのがおすすめです。
さらに、婦人科や歯科の受診、保湿などの小さなメンテナンス、家の動線整理を少しずつ進めると、妊娠中も気持ちに余裕が生まれやすくなるでしょう。
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