「不妊治療のために仕事を休んでも平気?」「通院が増えて仕事と両立できるか不安」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
不妊治療は治療方法によって通院頻度が異なり、採卵や胚移植の時期には急な通院が必要になる場合もあります。そのため、仕事との両立に悩み、ストレスを感じてしまう方もいるようです。
本記事では、不妊治療で仕事を休む頻度の目安や、仕事と治療を両立するコツ、職場への伝え方まで分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
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江川 美穂
不妊治療の専門家兼NPO法人日本不妊カウンセリング学会認定の不妊カウンセラー。大学卒業後、不妊治療に興味を持ち、不妊治療を研究している医療機関を徹底的に調査して分析。自身も不妊治療を経験し、現在は一児の母。

原田 美由貴
自身も不妊治療を経験。「子どもを授かりたい」という強い思いから、不妊治療に特化した数多くの医療機関を受診。体外受精やホルモン治療など、さまざまな治療法に取り組んできた実体験をもとに、不妊に悩む方々に寄り添う記事を執筆。現在は二児の母。
不妊治療で仕事を休む頻度は?【治療別】
冒頭でも述べたように、不妊治療で仕事を休む頻度は、どの治療を受けるかによって大きく異なります。
| 治療方法 | 通院頻度の目安 | 仕事への影響 |
|---|---|---|
| タイミング法 | 月1〜3回程度 | 比較的両立しやすい |
| 人工授精(AIH) | 月2〜4回程度 | 排卵日に合わせた通院調整が必要 |
| 体外受精・顕微授精 | 1周期で5回以上になる場合もある | 急な通院や休暇取得が必要になりやすい |
不妊治療では、ホルモン値や卵胞の成長に合わせて診察日が決まるので、急な通院も珍しくありません。また、採卵周期には連日の注射や診察が必要になり、1周期で5回以上通院するケースもあります。
採卵日や胚移植当日は、体調面を考慮して有給休暇や半休を取得しながら両立するのが一般的ですが、「仕事の予定を立てにくく、勤務調整に悩んでいる」という方が多いのも実情です。
不妊治療と仕事を両立するために知っておきたい考え方
不妊治療と仕事を両立するためには、「すべてを完璧にこなそうとしない考え方」が大切です。治療内容によっては急な通院や体調変化も起こるので、余裕を持った働き方を意識する必要があります。
ここからは不妊治療と仕事を無理なく両立するために知っておきたい考え方を解説していきます。
- 体外受精のスケジュールと仕事を両立するコツ
- 一人で抱え込みすぎないための考え方
それぞれ順に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
体外受精のスケジュールと仕事を両立するコツ
不妊治療では、診察日や採卵日が直前に決まるケースも多く、急な通院が発生しやすいです。特に体外受精では、卵胞の育ち方によって通院日が変わる場合があります。
以下は、体外受精前後における通院頻度の一例です。
| 治療ステージ | 通院回数 (1周期あたり) | 特記事項 |
|---|---|---|
| 月経3日目前後 | 1回 | ホルモン検査、治療計画決定 |
| 排卵誘発期間 (約7日) | 3~4回 | 卵胞の成長確認のため短期集中 |
| 採卵当日 | 1回(終日休暇推奨) | 局所麻酔あり |
| 移植前ホルモン補充期 | 1~2回 | 子宮内膜の厚み確認 |
| 胚移植当日 | 1回(半日~終日) | 身体的負担の少ない人でも休暇推奨 |
実際、体外受精では採卵周期に通院回数が増えやすく、短期間で複数回の診察や処置が必要になるケースもあるので、余裕を持たせたスケジュール管理が大切です。
重要な会議や出張は、なるべく通院が増えやすい時期を避けると良いでしょう。
一人で抱え込みすぎないための考え方
不妊治療中は、「仕事も治療も頑張らなければ」と自分を追い込みすぎてしまう方も少なくありません。しかし、無理を続けると心身の負担が大きくなり、体調を崩してしまう場合もあります。
特にホルモン治療中は、眠気やだるさ、気分の落ち込みなどが起こりやすいので、「普段通りに働けない日があるのは当たり前」と考え、自分を責めすぎないようにしましょう。
また、パートナーや職場の信頼できる人へ相談しながら、無理のない働き方を意識することも大切です。
不妊治療は長期間続く場合もあるので、完璧を求めすぎず、「できる範囲で続ける」と考えると、気持ちにも余裕を持ちやすくなりますよ。
不妊治療で会社を休む理由の伝え方と職場への配慮
不妊治療では通院回数が増えたり、急な休みが必要になったりする場合があります。そのため、仕事との両立を続けるには、職場への伝え方も大切なポイントです。
ここからは、不妊治療で会社を休む理由の伝え方と職場への配慮について解説していきます。
- 角が立ちにくい伝え方と周囲への配慮
- 不妊治療で仕事を休む場合に利用できる制度
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
角が立ちにくい伝え方と周囲への配慮
不妊治療で仕事を休む際、「どこまで職場へ伝えるべきか」と悩んでいる方も多いでしょう。特に急な通院が続くと、周囲へ迷惑をかけていると感じやすくなる場合もあります。
ただし、必ずしも「不妊治療中です」と詳しく伝える必要はありません。実際には、以下のように「説明しすぎない」「配慮を添える」といった形で伝えている方も多いです。
- 「定期的な通院が必要な治療を受けています」「医師の指示で通院があります」など、柔らかい表現を使う
- 「婦人科系の通院があります」と伝える程度にとどめ、無理に細かく説明しない
- 「業務に影響が出ないよう調整します」と一言添えると、理解を得やすくなる
- 「引き継ぎは事前に進めます」「スケジュール共有を徹底します」など、勤務への配慮を伝える
また、急な休みが入りやすい時期には、事前に「予定変更があるかもしれない」と仕事仲間に軽く共有しておくだけでも印象は変わります。
最低限の情報共有をしておくと、周囲の理解を得やすくなりますよ。
不妊治療で仕事を休む場合に利用できる制度
不妊治療と仕事を両立する際は、有給休暇だけでなく、時間単位有給やフレックスタイム制度などを活用する方法があります。また、以下のような制度を活用しながら通院を続けている方も多いようです。
- 年次有給休暇
- 時間単位有給
- 欠勤扱いでの休暇
- 傷病休暇
- 特別休暇
通院頻度や勤務状況に合わせて制度を使い分けると、仕事への負担を減らしやすくなります。企業によって利用できる制度は異なるため、まずは就業規則や福利厚生の内容について確認してみましょう。
不妊治療で仕事を休みすぎ?休む回数が増えるタイミング
ここからは不妊治療で仕事を休む回数が増えやすいタイミングについて解説します。
- 採卵・移植前後に発生しやすい急な通院
- 職場に理解してもらいにくいときの準備方法
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
採卵・移植前後に発生しやすい急な通院
採卵や胚移植の前後は、不妊治療の中でも特に通院回数が増えやすいタイミングです。診察結果によって当日の処置内容が変わるケースも多く、急な休みが必要になる場合があります。
中でも体外受精では、卵胞の育ち方やホルモン値を見ながら治療を進めるため、前日や当日に予定変更となるケースも珍しくありません。例えば、以下のような場面で急な通院が発生しやすくなります。
- 採卵直前
排卵誘発注射:卵胞の成長やホルモン値に合わせて調整が必要になる - 採卵当日
卵子の採取:採卵時間が直前に決まる場合がある - 移植直前
凍結胚の融解判断:子宮内膜やホルモン状態で予定が変わる場合がある - 移植当日
胚の移植:当日の診察結果で延期・中止になるケースがある - 採卵・移植後
副作用や体調確認:腹痛や出血などで追加診察が必要になる場合がある
職場に理解してもらいにくいときの準備方法
不妊は外見から分かりにくいので、「職場の理解を得にくい」「急に休むことが増え、肩身が狭く感じる」と感じる方もいるでしょう。
不妊治療に集中しやすい環境を整えたい方は、以下のような形で早めに業務調整を行うのがおすすめです。
- 休暇申請の事前共有
- 引継ぎ資料の作成
- 診断書の準備
- 相談先の確認
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「不妊治療で仕事を休めない」と感じた時に見直したいこと
不妊治療と仕事を両立するためには、通院スケジュールだけでなく、日々の体調管理も大切になります。ここからは、仕事をしながら不妊治療を続ける方向けのアドバイスをお伝えします。
- 通院・仕事・日常生活のバランスを整える習慣
- 限られた時間でも負担を減らす優先順位の付け方
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
通院・仕事・日常生活のバランスを整える習慣
通院や服薬スケジュールを優先しながら働く場合、毎日の生活リズムをできるだけ安定させて体調管理をしっかり行うことが大切です。実際に、不妊治療経験者が取り入れていた習慣をいくつか紹介します。
- 基礎体温や体調を毎日記録しておく
→ ホルモン変化や副作用に気付きやすくなる - 貼り薬の貼る場所を毎回変える
→ 肌トラブルを防ぎやすくなる - 午前中に重要な仕事を進めておく
→ 午後の通院にも対応しやすくなる - 昼休みに短時間の仮眠や深呼吸を取り入れる
→ 疲労感を軽減しやすくなる - 就寝前に湯船やストレッチを取り入れる
→ 睡眠の質を整えやすくなる
例えば、体重増加が気になるときは塩分を控えめにしたり、貼り薬による肌荒れがある場合は貼付部位を毎回変えたりすると負担を減らしやすくなります。また、副作用が気になる場合は、無理をせず早めに対策をしておきましょう。
限られた時間でも負担を減らす優先順位の付け方
不妊治療中は、仕事・通院・家事などをすべて完璧にこなそうとしてしまう方も多いです。しかし、時間は限られているので、「何を優先するか」を事前に決めておきましょう。
- 通院・薬の服用・貼付スケジュール管理
- 職場への進捗共有や業務調整
- 家事・買い物・SNSチェックなど
- イベント参加・長時間の外出など
不妊治療では、「全部頑張る」よりも「無理なく続ける」考え方が大切になります。特に採卵周期や移植前後は、急な通院や体調変化が起こりやすいため、予定を詰め込みすぎない意識が必要です。
優先順位を整理しながら生活すると、心身への負担を減らしながら治療を続けやすくなるでしょう。
男性が不妊治療と仕事を両立するためのコツ
不妊治療は女性だけが取り組むものではなく、男性側にも検査や通院が必要になる場合があります。ここでは男性が不妊治療と関わるときの仕事との向き合い方を紹介します。
- 男性側の検査や通院に合わせた勤務調整
- 夫婦で支え合いながら治療を続ける工夫
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
男性側の検査や通院に合わせた勤務調整
男性側の不妊治療では、精液検査や採精、カウンセリングなどで通院が必要になる場合があります。女性ほど通院回数は多くありませんが、急なスケジュール調整が求められるケースも想定しておきましょう。
- 精液検査:約1時間で行われ、午前休や時間休で対応するケースが多い
- 精子凍結保存:1〜2時間ほどかかり、半日単位で予定調整する場合がある
- 採精:採卵や移植ごとに必要になり、当日の勤務変更が必要になる場合もある
- ホルモン検査・診察:30分〜1時間程度で、昼休みなどで対応できるケースもある
- カウンセリング:月1回前後のペースで行い、有給休暇を使って参加する方もいる
特に採卵日や移植日に合わせた採精では、当日の対応が必要になるため、柔軟な勤務調整が必要です。女性と同様、仕事と両立する場合は事前に上司や同僚に対してスケジュールを共有するなどの準備を行っておくと良いでしょう。
夫婦で支え合いながら治療を続ける工夫
不妊治療では、身体的な負担だけでなく精神的なストレスも大きくなりやすいです。そのため、治療を受ける側だけに負担を集中させず、夫婦で役割を分担しながら支え合うことが長く治療を続ける上で大切です。
「不妊治療で夫婦の仲がぎくしゃくしている」と感じるのであれば、以下の4点を意識して生活してみましょう。
- 話を聞いたりねぎらいの言葉をかけたりする
- 食事作りや掃除などを分担する
- 不安やイライラに寄り添いながら落ち着いて対応する
- 検査結果や治療方針を通院ごとに確認しながら決める
不妊治療は、どちらか一人だけが頑張るものではありません。お互いに支え合いながら進めれば、精神的な負担を減らし、前向きに治療へ向き合いやすくなるでしょう。

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不妊治療で仕事を休む頻度に関するよくある質問
不妊治療で仕事を休む頻度とは?【まとめ】
不妊治療で仕事を休む頻度は、タイミング法・人工授精・体外受精など、治療内容によって大きく異なります。タイミング法なら月1〜3日程度ですが、体外受精などの高度生殖医療では月4〜10日ほどの休みが必要になることもあります。
また、採卵や胚移植を行う周期では、ホルモン値や卵胞の成長に合わせていきなり診察日を指定されるケースも多いです。
不妊治療と仕事の両立を目指すのであれば、不妊治療が予定通りに進まなかったり、通院回数が増えたりすることを想定して、余裕のあるスケジュールを組むようにしましょう。
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