「高温期に入ったのに体温がすぐに上がらない」「ゆっくりと上昇しているけれど、妊娠できるのか不安」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
基礎体温は人によって上がり方に差があり、高温期への移行がゆるやかでも妊娠しているケースはあります。
ただし、排卵のタイミングのずれや測定条件、ホルモンバランスの影響などが関係している場合もあるため、体温だけで自己判断しすぎないことも大切です。
この記事では、高温期がゆっくり上昇する理由や妊娠の可能性、確認したいポイントを解説するので、基礎体温の上がり方に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
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江川 美穂
不妊治療の専門家兼NPO法人日本不妊カウンセリング学会認定の不妊カウンセラー。大学卒業後、不妊治療に興味を持ち、不妊治療を研究している医療機関を徹底的に調査して分析。自身も不妊治療を経験し、現在は一児の母。


原田 美由貴
自身も不妊治療を経験。「子どもを授かりたい」という強い思いから、不妊治療に特化した数多くの医療機関を受診。体外受精やホルモン治療など、さまざまな治療法に取り組んできた実体験をもとに、不妊に悩む方々に寄り添う記事を執筆。現在は二児の母。
【結論】「高温期にゆっくり上昇しても妊娠した」という体験談はある
実際に、高温期への移行がゆっくりだったり、体温が低めに見えたりしても妊娠に至ったという体験談は複数あります。
特に、排卵直後に一気に体温が上がる方だけでなく、2〜3日ほどかけて少しずつ高温期へ移る方もいるため、体温の上がり方だけで妊娠の可否を判断することはできません。
加えて、測定時間のずれや睡眠不足、冷えなどの影響で本来の体温より低く記録されることも考えられます。
基礎体温が低めだったとしても、排卵が起きていて高温期が一定期間続いているなら、妊娠の可能性は十分あると言えますよ。
高温期にゆっくり上昇しても妊娠した口コミ・実体験
「高温期の体温がゆっくり上昇しても妊娠できた」という事実に着目しがちですが、経験者の不安や経過の違いを知ることで、自分の状態を考えるヒントにもつながります。
ここでは、実際に高温期の体温がゆっくり上昇した後に妊娠した方の体験談を紹介していきます。
- 体温が思うように上がらなくても妊娠可能性はある
- 妊娠検査薬の陽性後にじわじわと高温期へ移行した
それぞれ順に見ていきましょう。
体温が思うように上がらなくても妊娠可能性はある
「高温期なのに36.7℃台に届かない」「昨日より少し上がったけれど、まだ低いまま」といった状態が続くと、期待よりも不安が大きくなるのは自然なことです。
ただ、実際の体験談では、以下のように「体温が思うように上がらず不安を感じていたものの、その後に妊娠が分かった」という声もあります。
私は高温期になるとすぐ37℃近くまで上がるイメージを勝手に持っていたので、36.5~36.6℃を行ったり来たりしている基礎体温を見て、「今回はダメかも」と思っていました。
特に高温期4日目くらいまでは昨日より少し高い程度で、グラフもなだらか。検索すると同じような人の体験談ばかり探してしまっていました。
でも高温期10日目を過ぎても体温は下がらず、生理予定日の翌日に検査薬を使ったら陽性でした。妊娠してから基礎体温表を見返して、「私はこういう上がり方だったんだ」と初めて気づきました。
30代前半
排卵したはずなのに、高温期に入っても36.4℃、36.5℃、36.6℃と少しずつしか上がらなくて、「ちゃんと排卵してるのかな」と毎日不安でした。
基礎体温アプリを開いては他の周期と見比べて、「いつもより低い」と落ち込んでいたのを覚えています。
ただ、高温期自体は続いていて、生理予定日を過ぎてもリセットしませんでした。「期待しすぎないでおこう」と思いながら検査薬を使ったら陽性。体温が一気に上がらなくても妊娠することがあるんだと、自分自身が一番驚きました。
20代後半
高温期の始まり方には個人差があり、排卵後すぐにぐっと上がる方もいれば、数日かけて少しずつ上昇する方もいます。そのため、「上がり方がゆっくり=妊娠できない」とは言い切れません。
少しの変化でも気になってしまうかもしれませんが、1日の数値だけで結論を出さず、体温が全体として高温期に入っているか、いつもと違う体調変化があるかまで落ち着いて見ていきましょう。
妊娠検査薬の陽性後にじわじわと高温期へ移行した
基礎体温は高温期に入るとすぐ上がるものと思われがちですが、実際には妊娠検査薬で陽性が出たあとも、体温がじわじわと上昇していくケースがあります。
体験談でも、以下のように「高温期の序盤は体温が安定せず不安だったが、検査薬では陽性が出て、その後に少しずつ高温らしい体温へ移行した」という声が見られます。
生理予定日当日にフライングで検査薬を使ったらうっすら陽性でした。でも基礎体温は36.6℃くらいで、「妊娠したらもっと高くなるんじゃないの?」と逆に心配になりました。
その後も2~3日は大きく変わらず、「化学流産なのかな」と毎日検索していましたが、高温期後半になるにつれて少しずつ36.8℃台で安定するようになりました。病院でも「体温の上がり方は人それぞれだから大丈夫ですよ」と言われて安心したのを覚えています。
30代前半
高温期に入ってもガタガタしたグラフで、36.5℃台の日もあれば36.7℃近くの日もある感じでした。生理予定日に検査薬を使うと陽性だったのですが、「この体温で本当に妊娠してるの?」と信じられませんでした。
結局、基礎体温が「きれいな高温期っぽい」と思えるようになったのは陽性が出て数日経ってからです。妊娠したらすぐ理想的なグラフになると思い込んでいたので、自分の体温の変化は予想外でした。
20代後半
これは、ホルモンの分泌量や体温の反応に個人差があるためで、妊娠しているからといって必ずしも最初から理想的な二相になるとは限りません。
また、測定時間のずれや睡眠不足、体の冷えなどが重なると、実際より低く記録されることもあります。
基礎体温が低いまま妊娠できた先輩ママの体験談をもっと読みたい方は、基礎体温が低いまま妊娠出来た体験談をご覧ください。
基礎体温と妊娠した時の高温期のグラフ
高温期がゆっくり上昇する場合は、基礎体温グラフにも独特の動きが見られることがあります。
ここでは、体温がゆっくり上昇する際に考えられる2つのケースを解説していきます。
- 数日かけて徐々に高温期へ移行する場合
- 基礎体温が二段上がりする場合
それぞれ順に見ていきましょう。
数日かけて徐々に高温期へ移行する場合
1つ目は「数日かけて徐々に高温期へ移行する場合」です。
高温期への移行は、必ずしも排卵直後に一気に体温が上がるとは限らず、2〜3日ほどかけて少しずつ高温期に入る方もいます。


数日かけて徐々に高温期へ移行するケースでも、その後に高めの体温が一定期間続いていれば、排卵が起きているかもしれません。
特に低温期より全体として高い体温が続いているか、高温期が10日以上保たれているかを見ると、体の変化を把握しやすくなりますよ。
基礎体温が二段上がりする場合
2つ目は「基礎体温が二段上がりする場合」です。
一度高温期に入ったように見えても、途中で体温が少し下がり、その後もう一度上昇するグラフになることがあります。


基礎体温は排卵後、プロゲステロンの影響で0.2〜0.5℃ほど上がるのが一般的ですが、睡眠不足や測定時間のずれ、体調によっても変動するため、すぐに異常と判断できるわけではありません。
また、高温期の途中で1日ほど体温が下がって再び上がる変化は、インプランテーションディップと呼ばれます。


排卵後に体温上がるのが遅い理由
排卵後はすぐに体温が上がるイメージがありますが、実際には基礎体温の上がり方には個人差があります。
ここでは、排卵後に基礎体温が上がらない主な理由を整理していきます。
- 黄体ホルモンの分泌が始まったばかり
- 体の冷えによる血流悪化
- ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ
それぞれ順に見ていきましょう。
黄体ホルモンの分泌が始まったばかり
1つ目は「黄体ホルモンの分泌が始まったばかり」です。
黄体ホルモン(プロゲステロン)は、排卵後に分泌が増え、体を高温期へ移行させる働きを担います。
ただし、その変化の現れ方には個人差があり、基礎体温が1日で大きく上がるとは限らず、人によっては2〜3日ほどかけて緩やかに高温期へ移ることもあります。


そのため、基礎体温を見るときは単日の数値ではなく、低温期より高めの状態が続いているかを含めて、全体の流れで判断してください。
体の冷えによる血流悪化
2つ目は「体の冷えによる血流悪化」です。
体の冷えが強いと、手足など末梢の血管が収縮しやすくなり、血流が低下して体表の温度が上がりにくくなることがあります。
寒い環境では体温を逃がさないように血管が縮み、皮膚の温度が下がるため、基礎体温も本来の変化より低めになるかもしれません。
特に起床時に体が冷えている日や、寝具・室温の影響を受けた日は、グラフがゆるやかな上昇に見えやすいでしょう。
冷えが続く場合は、衣服や寝具、就寝環境を見直しながら記録を続けると変化を追いやすくなりますよ。


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ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ
3つ目は「ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ」です。
ストレスや睡眠不足により自律神経やホルモン分泌のリズムが乱れ、基礎体温の変化が緩やかになるケースも少なくありません。
睡眠の乱れは体の回復や体温調節の働きに悪影響を及ぼし、ストレスは体の調整機能を左右します。
例えば、就寝時間や起床時間がばらつくと、基礎体温そのものが安定しにくくなるため、「体温が少しずつしか上がらない」「高温期に入ったのか分かりにくい」と感じることもあるでしょう。
体温の記録を続けながら睡眠時間や生活習慣も併せて改善していくと、基礎体温の推移が安定し、排卵後の変化をより正確に捉えられますよ。
高温期にゆっくり上昇した時の妊娠サイン
高温期の立ち上がりが遅い時期には、体温の動きだけに注目するのではなく、妊娠の可能性を示す他のサインも併せて見ていくのが大切です。
ここでは、高温期の上昇がゆっくりなときに確認しておきたい妊娠の兆候を整理していきます。
- 高温期が16日以上続いているか
- 基礎体温が二段上がりするか
- 胸の張りや眠気などの症状があるか
それぞれ順に見ていきましょう。
高温期が16日以上続いているか
1つ目は「高温期が16日以上続いているか」です。
基礎体温は排卵後に上昇し、高温期に入るのが一般的ですが、高めの状態が長く続くと、黄体ホルモンの働きが保たれているサインとして見られることがあります。
中でも排卵後の高温が18日以上続く場合は、妊娠の早期サインのひとつになり得るとされています。
また、生理予定日を過ぎても高温期が続く場合は、妊娠検査薬を使うタイミングの目安にもなるでしょう。
基礎体温が二段上がりするか
2つ目は「基礎体温が二段上がりするか」です。
高温期の立ち上がりがゆっくりな人でも、途中から体温が安定して高くなる場合は、体が高温期の状態をしっかり維持しようとしている状態と捉えられます。
また、基礎体温が途中で一段高くなると、グラフ全体にメリハリが出るため、低温期との差が明らかになります。その結果、高温期への移行が曖昧に見えていた人でも、周期後半の流れを確認しやすくなるかもしれません。
数日続けて高めの体温を保っている場合は、周期後半のホルモンバランスが安定している証拠と捉えてくださいね。
胸の張りや眠気などの症状があるか
3つ目は「胸の張りや眠気などの症状があるか」です。
妊娠初期はホルモンの変化によって、胸が張る、体がだるい、眠気が強くなるといった症状が出ることがあり、普段の生理前と似ていても、強さや続き方に違いが見られる場合があります。
例えば、いつもより胸の張りが長引く、日中の眠気が普段以上に強いといった変化は、自分でも気づきやすいポイントです。
こうした症状を見るときは「いつから始まったか」「どのくらい続いているか」に注目し、体調の変化を丁寧に記録しておくと、早い段階で妊娠に気づけますよ。
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排卵後に体温上がるのが遅いときの対処法
基礎体温が思うように上がらないときは、原因を探すだけでなく、日々の過ごし方や記録の取り方を見直す必要があります。
ここでは、すぐに取り入れやすい3つの対処法を紹介していきます。
- 温かい食事や飲み物を取り入れる
- 十分な睡眠でホルモンバランスを整える
- 適度な運動でリフレッシュする
それぞれ順に見ていきましょう。
温かい食事や飲み物を取り入れる
1つ目は「温かい食事や飲み物を取り入れる」です。
温かい食事や飲み物を取り入れることは、基礎体温そのものを直接上げる対策というより、冷えやすい生活環境を見直すきっかけとして役立ちます。
寒さにさらされると血管は収縮しやすくなり、体の末端までの血流が低下しやすくなるため、体が冷えた状態では基礎体温の変化も掴みにくくなるでしょう。
まずは、温かいスープを飲むことや体を冷やしにくい食事を意識し、起床時の冷えを和らげるのがおすすめです。
また、朝食を抜かず、冷たい飲み物ばかりに偏らないようにするだけでも、日々のコンディションを見直すきっかけになりますよ。
十分な睡眠でホルモンバランスを整える
2つ目は「十分な睡眠でホルモンバランスを整える」です。
睡眠とホルモン分泌は体内時計と深く関わっており、生活リズムの乱れは基礎体温にも影響を及ぼします。
そのため、十分な睡眠を取ることは、基礎体温の数値そのものを整えるだけでなく毎朝の変化を安定して把握しやすくするうえでも大切です。
また、就寝時間と起床時間が日によって大きくずれると体温の変化にばらつきが出るので、毎日なるべく近い時間に起床・就寝することを心がけましょう。
毎日のリズムが整えば、低温期から高温期への変化も追いやすくなり、自分の周期の特徴も掴めますよ。
適度な運動でリフレッシュする
3つ目は「適度な運動でリフレッシュする」です。
適度な運動で体を動かすことは、日中のリズムを整え、気分を切り替えるきっかけとして役立ちます。
特におすすめなのは、ウォーキングや軽いストレッチなど、続けやすく負担の少ない運動です。
激しい運動を急に始める必要はありませんが、短時間でも体を動かす習慣がつくと、同じ時間に眠りやすくなったり日中のだるさが和らいだりするかもしれません。
基礎体温が上がらないときこそ、気分転換も兼ねて体を動かす時間を作ることが周期全体を見直す一歩になるでしょう。
高温期ゆっくり上昇しても妊娠した人はいる?に関する質問
排卵後に体温上がるのが遅い理由【まとめ】
基礎体温の上がり方には個人差があり、数日かけて高温期へ移行する人もいるため、高温期がゆっくり上昇する場合でも、それだけで妊娠しにくいとは言い切れません。
単日の数値に振り回されるのではなく、高温期が続いているか、普段と違う体調変化があるか、グラフ全体にどのような流れが出ているかを落ち着いて見ることが大切です。
基礎体温はあくまで体の変化を知る手がかりのひとつなので、必要に応じて生活習慣を整えながら、自分の周期の特徴を丁寧に把握していきましょう。

