卵子凍結を検討しているとき、「将来の妊娠に備えるなら卵子は何個凍結すれば良い?」「卵子凍結の平均個数はどれくらい?」と疑問に思う方は多いです。
結論から言うと、卵子1個あたりの妊娠率は4.5~12%程度とされており、必要な凍結卵子数は年齢によって異なります。目安は、20代の方は20個程度、30代前半の方は30個程度です。
この記事では、卵子凍結の平均個数・年齢別の目標個数、平均に届かないときの対処法まで分かりやすく解説します。
不妊治療の窓口 編集部メンバー(32歳)も、実際ににしたんARTクリニックで卵子凍結を受けてきました。私の場合、1回の採卵で26個採卵でき、最終的に凍結できたのは20個です。
この実体験もあわせて紹介するので、卵子凍結を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
神経管閉鎖障害(赤ちゃんの脳の一部が欠ける・背骨から脊髄が出る等)の対策として、医師や厚生労働省は妊娠前に十分な葉酸を摂取して葉酸濃度を高めるよう勧めています。
しかし、妊娠前~妊娠初期は1日あたり640µgほどの葉酸(茹でたほうれん草5束分相当)が必要とされており、食事だけでカバーしようとすると栄養バランスが偏ったり、コストがかさんだりする可能性があります。
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江川 美穂
不妊治療の専門家兼NPO法人日本不妊カウンセリング学会認定の不妊カウンセラー。大学卒業後、不妊治療に興味を持ち、不妊治療を研究している医療機関を徹底的に調査して分析。自身も不妊治療を経験し、現在は一児の母。


原田 美由貴
自身も不妊治療を経験。「子どもを授かりたい」という強い思いから、不妊治療に特化した数多くの医療機関を受診。体外受精やホルモン治療など、さまざまな治療法に取り組んできた実体験をもとに、不妊に悩む方々に寄り添う記事を執筆。現在は二児の母。
卵子凍結は何個必要?の前に知っておきたい基礎知識
卵子凍結とは、将来の妊娠・出産に備えて若いうちに卵子を採取し、マイナス196℃の液体窒素で凍結保存しておく方法です。
近年、キャリアと妊娠・出産を両立させたい女性からの注目が高まっていますが、まずは以下の基礎知識から押さえておきましょう。
- 卵子凍結の目的
- 卵子凍結のメリット
- 卵子凍結がおすすめの方
- 卵子凍結の年齢制限
それぞれ順番に解説していきます。
卵子凍結の目的
卵子凍結の目的は、加齢とともに進む卵子の老化・減少に備えて少しでも若く質の高い卵子を保存しておき、将来妊娠を望んだタイミングで、妊娠の可能性を残しておくことです。
凍結した卵子は、将来妊娠を希望するタイミングで融解し、パートナーの精子と顕微授精した後に子宮へ移植します。


採卵時の年齢の卵子を保存できるため、若い時期に採取した卵子を使って妊娠を目指せる点が特徴です。
また、女性の卵子は生まれたときから数が決まっているので、キャリア形成やパートナー探しを優先したい方が、将来への備えとして卵子凍結を選ぶケースもあります。


卵子凍結のメリット


卵子凍結の最大のメリットは、将来の妊娠・出産に向けた選択肢を広げやすくなり、仕事や結婚の時期に縛られずに自分らしい人生計画を立てられる点です。
また、35歳より前の若い卵子を保存しておけば、実際の妊娠が40歳前後になったとしても採取時点の卵子の質で顕微授精に臨めるため、加齢による妊娠率の低下をカバーしやすくなります。
私自身、「いざというときの備えがある」という安心感が焦りを和らげてくれ、目の前の仕事に落ち着いて向き合えるようになりました。
卵子凍結がおすすめの方
卵子凍結は、以下のような方に特におすすめの選択肢です。
- 今はキャリアを優先したい方
- パートナーがまだいない方
- 35歳までに妊娠の予定がない方
- 病気の治療で妊孕性の低下が心配な方
特に、抗がん剤治療など医学的な理由で卵巣機能の低下が予想される方は、治療開始前に卵子凍結を行うことで将来の妊娠の可能性を残せるので、できるだけ早めに主治医へ相談するようにしましょう。
一方で、1年以内の妊娠を望んでいる方やすでにパートナーと妊活を始められる状況の方は、卵子凍結よりも自然妊娠や不妊治療を優先した方が妊娠への近道になる場合もありますよ。
私自身も、長くパートナーがおらず「今はキャリアを優先したい」という気持ちが強いタイプです。それでも「数年後の自分も同じ気持ちだろうか」と考えたことが、卵子凍結を決めたきっかけでした。
卵子凍結の年齢制限
多くの医療機関は卵子凍結の対象を「40歳前後まで」としており、日本生殖医学会のガイドラインでも40歳以上の採卵と45歳以上での凍結卵子の使用は推奨されないとされています。
また、東京都・山梨県・大阪府などが実施している卵子凍結の助成金制度も対象は39歳までの女性となっているため、費用面の支援を受けたい方は年齢要件を満たしているか事前に確認しておきましょう。
私は都内に住んでいたので、東京都に申請をして、助成金を受け取りました!
卵子凍結は何個が平均?平均個数・目標個数
ここからは卵子凍結の平均個数と、妊娠・出産を目指すうえでの目標個数を解説していきます。
- 卵子凍結の平均個数
- 卵子凍結の目標個数
まずは平均個数から確認していきましょう。
卵子凍結の平均個数
1つ目は「卵子凍結の平均個数」です。
1回の採卵で凍結できる卵子の平均個数は6~10個程度とされていますが、卵巣機能には個人差が大きく、年齢が上がるほど1回あたりの採卵数は少なくなる傾向にあります。
| 年齢 | 1回あたりの平均採卵個数 |
|---|---|
| 30歳~34歳 | 10〜15個前後 |
| 35歳〜38歳 | 10〜15個前後 |
| 38歳〜40歳 | 5〜10個前後 |
| 40歳以上 | 3〜8個前後 |
また、採卵できた卵子がすべて凍結できるわけではなく、その中には未成熟卵子(未成熟で凍結できない卵子)や、変性卵子(変性してしまった卵子)も含まれています。


十分に育った成熟卵のみが凍結の対象となるので、実際に凍結できる個数は採卵数よりも1~2割ほど少なくなるケースが多いです。
私も26個採卵できましたが、実際に凍結できたのは20個でした。残りの6個は未成熟卵子が4個、変性卵子が2個で、やはり採卵数がそのまま凍結数にはならないと実感しました。


※本記事に掲載している検査結果・治療内容・治療経過等は、体験者個人の一例です。患者さまの状態や治療方針等によって異なります。
なお、採卵数はAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値や胞状卵胞数によってある程度予測できるため、事前検査の結果をもとに医師と採卵計画を立てると、目標個数を達成しやすくなります。
卵子凍結の目標個数
2つ目は「卵子凍結の目標個数」です。
一般的に、確保しておきたい卵子の数の目安は、20代の方は20個程度、30代前半の方は30個程度とされています。これは、凍結した卵子の数が多いほど、将来の出産につながる可能性が高くなるためです。
ここでは、年齢と凍結個数から出産にいたる確率を試算した研究を紹介します。


| 年齢 | 10個 | 20個 | 30個 | 40個 |
|---|---|---|---|---|
| 28歳 | 80% | 94% | – | – |
| 34歳 | 75% | 91% | 95% | – |
| 37歳 | 53% | 75% | 87% | 92% |
| 40歳 | 30% | 52% | 65% | 76% |
| 42歳 | 21% | 36% | 49% | 60% |
| 44歳 | 7% | 15% | 21% | 26% |
表を横に見ると、同じ年齢でも個数が増えるほど数値が上がっていくことがわかります。そして縦に見ると、年齢が上がるほど、同じ確率にたどり着くために必要な個数が増えていきます。
| 採卵時の年齢 | 目標個数の目安 |
|---|---|
| ~34歳 | 10~15個 |
| 35~37歳 | 15~20個 |
| 38~40歳 | 20~30個 |
| 41歳~ | 30個以上 ※現実的に確保が難しい場合もあります |
2人以上を希望する場合は、上記の目安に1人あたり10個前後を上乗せして考えると、採卵回数や費用の計画を立てやすくなりますよ。
私は32歳で20個を凍結できました。さまざまな可能性を考えて、最終的には30個を目標にもう一度採卵に臨む予定です。
卵子凍結の個数に関わる卵子の老化・減少
卵子凍結の目標個数が年齢によって大きく変わるのは、卵子の「質」と「数」がどちらも加齢とともに低下していくからです。
ここからは、卵子凍結の個数に関わる卵子の老化・減少について詳しく解説していきます。
- 加齢による卵子の老化
- 加齢による卵子数の減少
それぞれ順番に解説していきます。
加齢による卵子の老化
1つ目は「加齢による卵子の老化」です。
卵子は女性が生まれたときから卵巣に蓄えられているので、30歳の女性の卵子は30年間、40歳の女性の卵子は40年間、体の中で自分と同じだけ年齢を重ねています。


加齢した卵子はミトコンドリアの機能が衰え、染色体異常も生じやすくなるため、受精率・着床率が下がり、流産率や胎児の染色体異常のリスクが高まります。
加齢による卵子数の減少
2つ目は「加齢による卵子数の減少」です。
卵子の数は出生時の約200万個をピークに、その後増えることはなく、20歳までに約12万個、30歳時点で約5万個、40歳では約5,000個まで減少すると言われています。


| 年齢 | 卵子の残存数の目安 |
|---|---|
| 出生時 | 約200万個 |
| 20歳 | 約12万個 |
| 30歳 | 約5万個 |
| 40歳 | 約5,000個 |
さらに、卵子は排卵の有無にかかわらず1ヶ月に約1,000個ずつ自然に消失していくので、卵子凍結を先延ばしにするほど1回の採卵で確保できる数も減っていきます。
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卵子凍結の個数が平均に届かないときの対処法
実際に採卵してみると平均や目標の個数に届かず、「自分は妊娠できないのでは」と落ち込んでしまう方も少なくないでしょう。
ここでは、卵子凍結が平均個数に届かないときの対処法を5つ紹介します。
- 採卵数だけで判断しない
- 貯卵を検討する
- 卵巣刺激法を工夫する
- 睡眠・運動などの生活習慣を見直す
- 抗酸化作用を意識した食生活
それぞれ順番に解説していきます。
採卵数だけで判断しない
1つ目は「採卵数だけで判断しない」です。
妊娠・出産につなげるには、質の良い卵子が得られるかどうかも大切です。実際採卵数が2~3個と少なくても、その中に質の高い卵子があれば妊娠・出産に至るケースは数多く報告されています。
特に若い年齢で採卵した卵子は1個あたりの妊娠率が高いため、「何個採れたか」より「どんな質の卵子を残せたか」という視点を持つことが大切です。
採卵結果に不安を感じたときは、成熟卵の割合や卵子の状態について医師に詳しく説明してもらうと、今後の採卵計画を前向きに立て直しやすくなりますよ。
貯卵を検討する
2つ目は「貯卵を検討する」です。
貯卵(ちょらん)とは複数回の採卵を重ねて凍結卵子を少しずつ貯めていく方法で、1回の採卵数が少ない方でも回数を重ねることで目標個数に近づけられます。
例えば、1回の採卵で凍結できた卵子が5個だったとしても、3回の採卵を行えば合計15個となり、35歳前後の目標個数である15~20個に十分到達できる計算になります。
私も1回目で目標に届かなかったので、35歳までにもう一度採卵する予定です。体への負担を考えると連続では難しいですが、数年かけて貯めていくつもりで考えると気持ちがラクになりますよ。
卵巣刺激法を工夫する
3つ目は「卵巣刺激法を工夫する」です。
採卵数は、卵巣刺激法によっても変わります。
| 刺激法 | 特徴 |
|---|---|
| 高刺激法 | 多くの採卵数を目指しやすい 体への負担・費用は大きめ |
| 中~低刺激法 | 負担を抑えながら複数個を狙える |
| 自然周期法 | 体への負担が最も少ない 採卵数は1~2個程度 |
前回の採卵数が伸びなかった場合でも、刺激法や薬の量を調整することで、採卵結果が変わる場合もあるため、医師と相談しながら自分の卵巣に合った刺激法を探してみてください。
私は採卵後に卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になり、お腹の張りと息苦しさで再受診しました。32歳・高AMH・多嚢胞性卵巣症候群・採卵数26個の私は、もともと卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高かったようです。
睡眠・運動などの生活習慣を見直す
4つ目は「睡眠・運動などの生活習慣を見直す」です。
卵子の質は日々の生活習慣の影響を受けるため、1日7時間前後の質の良い睡眠とウォーキングなどの適度な運動を習慣にして、ホルモンバランスと卵巣周辺の血流を整えましょう。
特に睡眠中に分泌されるメラトニンには強い抗酸化作用があり、卵子の質の維持に関わることが報告されています。卵子凍結前は、夜のスマホ利用を控えるなど、睡眠の質にもこだわると良いですよ。
抗酸化作用を意識した食生活
5つ目は「抗酸化作用を意識した食生活」です。
卵子の老化の一因は活性酸素による酸化ストレスと言われています。そのため、ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノールなどの抗酸化成分を毎日の食事で意識的に摂ることが大切です。
具体的には、緑黄色野菜やベリー類、ナッツ、青魚などをバランス良く取り入れると、抗酸化成分に加えて卵子の材料となるタンパク質や良質な脂質も一緒に補えます。
また、当編集部がにしたんクリニックに卵子凍結前の準備について尋ねたところ、葉酸サプリを取り入れ、栄養バランスを整えながら体内の葉酸濃度を高めておくのが望ましいとの回答を得られました。
私も採卵の6ヵ月前から葉酸サプリ「mitas」を飲んでいました。凍結した卵子を使うのは何年も先かもしれないからこそ、できるだけ良い状態で残しておきたかったからです。
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おすすめの葉酸サプリについては、「葉酸サプリおすすめランキング!医師監修の妊活&妊娠前に人気な商品」でも詳しく紹介しています。
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卵子凍結するか迷う方は「AMH検査」を受けてみよう
卵子凍結をするべきか迷っている方は、まずAMH検査を受けて現在の卵巣の状態を把握してみてはいかがでしょうか。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は卵巣内の発育途中にある卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣に残っている卵子の数の目安を調べる際に利用されます。一般的に、AMHの数値は27歳で4.69、32歳で3.54程度と言われています。


私のAMHは10.15と32歳の平均よりかなり高く、検査をきっかけに多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だと分かりました。自分の体の状態を知るという意味でも、受けておいて良かったです。
なお、AMH値が低い場合は採卵で得られる卵子が少なくなりやすいため、検査結果をもとに卵子凍結する時期や必要な採卵回数を医師と相談してみてください。
| AMH値 | 卵巣の状態・採卵の傾向 |
|---|---|
| 高い | 卵胞が比較的多く、採卵数も多い傾向 |
| 低い | 卵胞が比較的少なく、採卵数も少ない傾向 |
卵子凍結は何個必要?に関するよくある質問
卵子凍結の個数は年齢で変わる【まとめ】
卵子凍結の目標個数は、卵子1個あたりの妊娠率をもとに20代の方は20個程度、30代前半の方は30個程度とされています。また、1回の採卵で採れる卵子は平均6~10個程度で、卵子は加齢とともに質が低下して数も減少します。
迷っている間にも採卵のチャンスは少しずつ減っていくので、まずはAMH検査で卵巣の状態を確認し、医師と相談しながら自分に合った目標個数や採卵回数を決めるのがおすすめです。


私が初回カウンセリングで言われた「卵子凍結をやろうと思った日が、これからの人生で一番若い日」という言葉が、今でも心に残っています。
年齢を重ねるほど卵子の数も質も変化していくからこそ、思い立った今、卵子凍結について前向きに検討してみてくださいね。

